Bicycle ride
夢でまた自転車に乗っていた。夢の中では足で自転車を漕いでいる感覚はなく、実際の自転車よりもずっと速くなめらかに進む。わたしはまず駅のようなところにいた。複数の路線が交差するような大きな駅だった。知らない女性が笑顔で近づいてきて「牛乳は要りませんか」と言われたが、要らないと断った。
わたしは電車に乗るつもりだったが、自分が自転車を運んでいることに気づき、乗車はあきらめて自転車で向かうことにした。といってもどこへ向かっていたのかはわからない。そこはまったく知らない場所だったけれど、夢の中のわたしはその場所を知っているようだった。
高い塀に囲まれた大きな古い屋敷が建ち並ぶ路地を自転車で走った。周囲は雨が降っていたが、わたしは濡れることはなかった。どの屋敷にも、古代の植物のような巨大な果樹があり、塀から高く伸びた桃色の太い幹や枝にたくさんの大きな桃色の実がなっているのが見えた。
やがて大きな川にたどり着いた。そのまま川沿いに進もうかと思ったが、大きな石がごろごろしているその道は走りにくそうだったので、来た道を少し戻って別のルートを進んだ。緩やかなカーブを進むと、青く澄んだ水が流れる浅瀬が見えてきた。その先には巨大な岩崖があり、なかなか壮大な風景だった。