ウツヨキで味わった静寂

過去に味わったことがないほどの静寂に満ちたウツヨキから、町とはいえどやはり静かなイヴァロを経由して、首都ヘルシンキへ移動すると、すべてのものが忙しなく感じられた。ヘルシンキですらそうだったので、プラハの街中を歩く(プラハ行のフライトで出逢った日本人女性をホテルまで案内した)のは苦痛に感じられるほどだった。あのあまりに壮大な自然、ただただ広々とした空間、そして静けさが、既に恋しい。

イヴァロ空港まで送ってくれたタクシーの運転手は、ラッピ州の州都であるロヴァニエミの大学を卒業後、街中での生活が苦痛に感じられてイヴァロへ戻ったのだと話してくれた。私自身、南ボヘミア州にある現在の町に越してからは、プラハではとても暮らせないと感じるようになったので、彼の言うことはわかる気がした。

イナリのカフェレストランで相席したことをきっかけに知り合った女性も、現在のヘルシンキでの生活に不自由はないけれど、子どもたちが独立したらサーミランドへ引っ越したいと話していたのを覚えている。

下の写真はウツヨキの村の中心部。とにかくどこも広々としていて、静かで、質素だった。