静かな生活

友人が、あるポッドキャストを聞いて私のことを思い出したと、その番組を紹介してくれた。私自身も以前から興味を抱いている人の番組だったので、早速聞いてみたのだが、体調が優れないためかじっと聞いているのが辛くて、序盤早々に止めてしまった。

最近は、音声を聞きながら何か他のことをするのが以前にも増して困難になった。特に、人の「語り」を聞くには、その声のみに集中する必要がある。そして、聴覚に集中し、聞き取った言葉を理解するには体力を要する。だから、身体の調子が優れない時には、誰かの話を聞くのは難しい。

また、日本語の「話し言葉」を耳にする機会が殆どない生活が長くなり、音声だけで日本語を聞いて理解することが以前よりも難しくなっている気もする。対面で話を聞く場合には支障を感じないが(そもそもそんな機会が滅多にないのだが)、日本語特有の音やリズム、抑揚に、馴染みが薄れてきているのかもしれない。私は元々、読むことに比べて、聞くだけで物事を理解するのが難しい傾向があるので、なおさら聞き取りが難しいのだろう。

とはいえ、件のポッドキャストに興味はあるので、もう少し身体の状態が楽な時に再び聞いてみようと思う。

これまで何度も書いてきたように、私はチェコで暮らすようになってから以前ほど音楽を聞かなくなった。理由はいくつか思い浮かぶが、何よりもまず静けさの中にいる方が心地いいからだ。幸いなことに、現在暮らしている街は静かなところで、音の少ない日々を過ごしている。