夏の記憶

夏季休暇中の友人たちから届くメッセージからも、SNSに流れてくる文章や写真からも、お盆を迎えた日本の雰囲気が伝わってくる。日本特有の行事や風習の時期が来ると、今はもうない昔のことや場所が思い出されて、懐かしいような切ないような気持になる。

不意に蘇る日本の記憶に夏の風景が多いのは、幼少期や思春期に長い夏休みがあり、何かと行事も多かったからだろうか。アパートの窓から味わった夏の早朝の気配、商工会議所で行われた盆踊りの練習、母や祖父母と車で旅に出た時に見た景色。様々な記憶の断片がやってきては流れていく。