死神の話

昨日たまたま目に留まった漫画の中に、死神(と呼ばれる何か)を見た人たちの話があった。そして、そのコメント欄には、かなりの数の人から、死神の目撃体験に関する話が寄せられていた。興味深かったのは、どの体験談の中でも、死神は黒い服/スーツを着た男、あるいは黒い人(人影)として現れていたことだ。

私の母も、亡くなる少し前に「玄関に誰かが来ている」と何度か言っていた。彼女のベッドは玄関に直接面した広い居間にあった。実際には玄関には誰もいなかったが、彼女は何者かがやって来たのを感じ取っているようだった。今思えばあの時、どんな人がやって来たのかもう少し詳しく尋ねてみればよかったのかもしれない。

死神の目撃談の中で面白かったのは、死神もたまに人違いをするらしいという点だった。中には関西弁で「えらいすんません、間違えましたわ、ほな!」と消えていった死神もいて、思わず声を出して笑ってしまった。また、死神にも管轄移動があるらしいという目撃談もあり、案外社会的なんだなと感心した。

これらの死神目撃談についてVítに話していた時に、"man in blackで"はなく、"black man"と口について出てしまい、浮かぶイメージが全く違ってしまって、また笑った。そして、映画『パルプ・フィクション』の中のサミュエル・L・ジャクソンが死神として迎えに来るイメージが浮かんで、可笑しくて仕方なかった。


【追記】
死神という観念はどうやら江戸時代に西洋から輸入されたものらしい。そして、やはり私が思っていた通り、黒い服を着た死神のイメージは、かなり最近になってから作られたもののようだ。

以下はWikipediaからの抜粋

「死神」という言葉そのものは、江戸時代以降、例えば近松門左衛門による心中をテーマにした人形浄瑠璃や古典の書籍にみられる。戦後に西洋の死神の観念が日本に入ってきたことで、死神は人格を持つ存在として語られるようになり、テレビドラマや漫画、ゲームなど様々なフィクション作品に登場するようになった。