ヨーテボリ美術館へ
ヨーテボリ美術館は、19世紀末~20世紀初頭にかけての北欧美術のコレクションでは世界一の規模を誇るらしい。まさにその時代の北欧の画家たちの風景画が大好きな私にとっては、夢のような空間だった。
残念ながら、一番の目的だったAxel Fahlcrantzの作品は現在展示はされていなかったが、Karl Nordström、Per Ekström、Bruno Liljefors、Eugène Jansson、Nils Kreuger、Gottfrid Kallstenius、Charlotte Wahlströmなどなど、他にも大好きなスウェーデンを代表する画家たちの作品を間近に見ることができた。
一通り見終わった後、受付のスタッフにAxel Fahlcrantzの作品について尋ねたところ、3点ある所蔵品を彼も長らく見ていないとのことで、「美術館宛にメールを送ってもらえるかな?そうしたらキュレーターが展示を考えるかも!」という提案を受けた。「では、『せっかくはるばるやって来たのに彼の作品が観られなくて残念だった』とメールに書きますね。これでまたここを再訪する理由ができた!」と笑って答えた。
Nils Kreugerの作品は、私がヨーテボリ群島で実際に眺めた風景、北欧の夏の空と光と気配そのものだった。
Karl Nordströmの光と色彩も、まさに北欧そのものだ。私は彼の作品の中に流れる深い静寂にいつも強く惹かれる。
Per Ekströmが描く夕焼けや夜明けも大好きだ。光の表現のみならず、大気の動きや温度、湿度までもがそこに息づいていて、まるでその場に佇んで太陽を眺めているような心地になる。
Eugène Janssonも、私が敬愛する画家の一人だ。まるで光がゆっくりと沈んでいくような彼の青は、深い海底のような静寂をもって心を鎮めてくれる。
Gottfrid Kallsteniusが描く北欧の自然と光にも惹かれてやまない。今回観ることができたこの作品は、前日に訪れたBrännö島の船着場の岩場と海を彷彿させた。
北極圏の風景画で知られるAnna Bobergの作品も一点だけ展示されていた。実際に見ると、絵具が盛り上がるほどに重ねられていて、筆(ペインティングナイフ)遣いまでがはっきりとわかる。
スウェーデンの冬景色を描いた作品で特によく知られるAnshelm Schultzberg。この絵を見て、私は普段よく親しんでいるフィンランドの画家たちが描く雪の表現を思い出した。刻一刻と移ろいながら静かに暮れていく空の表現も美しい。
Charlotte Wahlströmによるこの絵も、まさに前日訪れたGalterö島で目にした風景を彷彿させた。大きな岩に落ちる影、先端のみ紅く染まる木々、陽光を浴びて輝く海の対比が美しい。
Prins Eugenの作品にも逢うことができた。絵の前に立つと、深い森の鬱蒼とした気配に包まれる。暗く沈んだ木々や枝の奥に輝くのは夕陽だろうか。非常に静かで、厳かさすら感じる作品。