風の声、木々の声、大地の声

風の声、木々の声、大地の声

イナリでは、夜のJuutua川沿いを一人で歩いていた時に、ふと風と木が語り掛けているように感じて、私も語りかけた。そうして、しばし静かなやり取りを繰り返した。

ウツヨキでも、風や木々や大地が語りかけてくるような感覚を何度も味わった。ある夜、岩場の多い急斜面を登っていると、突然空の様子が変化し、風が変わり、木々が何かを訴えているように感じた。私は、今はこれ以上登るなと言われているような気がして立ち止まり、山を下った。

圧倒的な自然と静寂の中にひとりでいると、こうした感覚が研ぎ澄まされていく/戻ってくるのだろう。この感覚はどの山を歩いていても常にあって、自然との一体感のようなものを味わうと同時に、自分自身に還る感覚を体験し続けていた。それは、とても静かで自然なものだった。

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