破壊と再生、動的平衡

新型コロナウイルスの変異の速度と多彩さには驚かされるばかりだ。その変幻自由な動きとスピードに倣って、わたしたち人間も”自分”という殻(経験と習慣に基づく思考と行動のパターン)を自ら壊して変化していくしかないのだと改めて思う。 「今ある習慣、生活、社会、関係、自分という”形”を継続させたい=変わりたくない」のは人(自我)の都合でしかなくて、ウイルスも地球も我々の肉体も人の都合にあわせたりはしないし、人間が都合を押し通そうとすればするほど、それらはますます大きな脅威として見えてくるだけだ。…

さくらの減薬に向けて

さくらは昨日から腎臓への負担が少ないという免疫抑制剤の服用を開始した。これまで投与してきた抗がん剤とステロイド剤に併せての服用だが、この免疫抑制剤が有効であれば、徐々に抗がん剤とステロイド剤の減薬を開始する予定だ。そして最終的には免疫抑制剤も中止し、すべての薬剤からの解放を目指す。 先日初めて受診したオンコロジストからはメールやSMSでもアドバイスを受けている。新しい薬の服用によって、もしもさくらに何か症状が出た場合にでも、すぐに対応してもらえる。また、以前から通っている近所の動物クリニックとも連携してもらい、緊急時にはそちらのクリニックで必要な処置や薬の処方を受けることも可能だ。 わたしたち人間に関してはまだ近所にかかりつけ医を見つけることができていないけれど、さくらについては信頼できる動物クリニックや獣医がスムーズに見つかってとても助かっている。…

Třeboňskoの水景

昨日午後に動物クリニックでの診察を終えた後は、Vítの父親を訪ねるためLutováへ向かった。6,000を超える湖沼や湿地が点在するTřeboň地方には魅力的な水景があふれている。ここは地域一帯がユネスコの生物圏保護区に指定されている。…

12歳になったさくらの新たな方針

昨日はいつも通っている動物病院で紹介されたオンコロジストの診察を受けるためにTřeboňにある動物クリニックを訪ねた。 さくらは3年前に低悪性度消化器型リンパ腫あるいは慢性胃炎という診断を受け、それ以来抗がん剤治療を続けている。当初は余命は半年程ではと言われていたが、その後割と早く体調は回復し、今も元気に生きている。昨年の検査では完全緩解の状態と判断され、抗がん剤とステロイド剤の量を減らしていた。 昨日受けた検査でもやはり再発の兆候は認められなかった。しかし、年々腎臓の数値が悪化しているため、腎臓に負担がかかるステロイド剤の投与を減らし、最終的には中止する方がいいだろうという結論に至った。また食物アレルギーの可能性もあるので、減薬と同時に食事内容も見直していくことになった。 生化学検査とエコー検査を含めて約2時間の濃密な診察内容だった。オンコロジストによる説明は実に丁寧でわかりやすかった。エコー検査にはわたしたちも同席し、画面を見ながら説明を受けた。最終的に3つの選択肢を提示され、わたしたちからもいろいろと質問をし、彼女とともに考えて結論を出した。…

父の死体が動き出す夢

父の死体が動き出すという夢を見た。夢の中では彼は既に死んでいて(実際には彼は今も生きている)、その身体はベッドの中にあった。死後一週間は過ぎているようだった。わたしは少し離れたところからその姿を見ていた。すると、死んだはずの彼の腕が動きはじめ、目が開いたり、顔が動いたりしていた。 そこは、建て替えられる前の古い実家の二階にあった母の部屋に似た空間だった。その場に母もいた気がするが、姿は見えなかったかもしれない。父の死体が動き始めたので、わたしは母に「あれ、動き始めたよ」というようなことを伝えていたように思う。怖くはなかったが、奇妙な感じではあった。…