夢で訪れる懐かしい場所

月のめぐりに伴う体調低下のため、ここ数日はひたすら眠って夢を見ていた。どの夢の中でもわたしは、まったく知らないのに懐かしい場所にいた。思い出すだけで胸がじわりと温かくなるほど親しみを覚える場所だった。目が覚めた後もあの場所に還りたくて仕方なく、この世に適応するのに時間がかかった。 ある夢では、わたしは大きなターミナル駅のそばにある高い山の上にいた。山は深々と緑に覆われ、崖から溢れ落ちた水が川になって滔々と流れていた。遠くに見える超高層ビルから未来型戦闘機のような飛行物体が垂直に落下したかと思うと、急角度で上昇して猛スピード飛び去って行った。 また別の夢では、わたしは古い木造建築の一室にいた。さくらも一緒で、その夜はそこに宿泊するようだった。窓際の天井に小さな蛾が一匹止まっていたので、手に持っていた書類か何かで追いやって窓から外へ逃がした。窓の外枠には他にももう1匹小さな蛾がじっと止まっていた。…

マルグリット・デュラス

3月3日はマルグリット・デュラスの命日だったようだ。20年以上気になっていたのに抵抗があって読めなかった『愛人/ラマン』を唐突に購入し、あっという間に読み終えた。無意識にわかってはいたけれど、そこには自分のことが書かれていた。だから長い間手をつけることができなかったのだ。 わたしは映画『愛人/ラマン』を観ていない。デュラス本人は映画が気に入らなかったそうだ(その後、彼女は『北の愛人』を書いている)。小説『愛人/ラマン』には、母親と兄の描写が思いのほか多かった。そして、デュラスもまた機能不全家族の中で生き延びた人だったことを知った。 小説を読むのは実に久しぶりだった。作者の創作を通して共振する深い記憶の感触をなぞり、物語を読みながら自分を発見していくという作業は、肉体からすんなり離脱できるだけの心身状態を要する。読書には時がある。そして、読むべき作品とは読むべき時に出逢える(再会できる)ようになっている。…

シリウスの夢-2

ここ数日ほどは、寝る前にいつもシリウスのことを思っている。今日見た夢の中にも、知らない顔ばかりなのにどこか懐かしい人たちがたくさんいた。わたしは高さ1000m以上ありそうな超高層ビルの上からガラス越しに地上を眺めていた。眼下には見たことのない未来的な街並みが広がっていて、空がとてもきれいだった。…

シリウスの夢

シリウスに行こうと思いながら眠りにつくと、たいてい何かを食べる夢を見る。 一昨夜の夢でもわたしは、巨大な商業施設か大きなターミナル駅のような建物の中にあるレストランで、やはり食事をしていた。わたしが食べていたのは素麵に似た白い麺だった。 昨日も再びシリウスに行こうと思いながら眠りについたところ、わたしは知らない部屋の整理をしていた。そこは知らない街にある誰かの部屋で、わたしはそこに滞在することになっていたようだ。部屋にはとにかくたくさんのものがあり、わたしはせっせとそれらを片付け、不要なものを外に出していた。 その後わたしは誰かとの待ち合わせがあり、街の地図の右上の方へ向かおうとしていた。確か食事をしに行く予定だった。 シリウスの夢はいつもちょっとにぎやかだ。知らない場所、知らない人ばかりだけれど、みな親しみが感じられてどこか懐かしい。…

ゴシック建築の前の幽霊

夜明け前に見た夢の中で、わたしはパートナー(と思われる男性)とともに夜の森を歩いていた。前方左側に古い教会か貴族の墓(Schwarzenberská hrobkaに似ていた)のような石造りのゴシック建築があり、その前を白い人影がゆらりと動いた。男性が「幽霊だ!」と叫び、わたしも叫ぼうとしたが声が出なかった。 ここしばらく北斗七星のことが気になっていて、昨夜ベッドに入る前にはフェクダの名を思い浮かべていた。フェクダは北斗七星の魁(箱)の左下に位置している。夢の中の視界の左下でゆらゆら動いていた形の定まらない白い人影のようなものは、フェクダだったのかもしれない。…

ギャングの巣窟、UFOを呼び寄せる、赤茶色の大地、キツネではなくオオカミにる必要がある

今朝方見た夢の中でわたしは、地下に作られた大きなヤクザかギャングの巣窟を訪ねていた。点在するソファーや椅子にいろんな人が座っていて、その真ん中で、新しくメンバーになった人たちが自己紹介をしていた。わたしはメンバーではなかったが、見学者のような立場でその空間をうろうろしていた。 場面が変わり、わたしは複数の人たちとともにUFOを呼んでいた。すぐに巨大なUFOがやってきた。そして、銀色の船腹から6~7つの金色の椅子が丸く繋がった状態で下りてきた。全員が座ったところ、椅子は上昇しはじめたが、わたしの椅子だけが逆さにひっくり返って、ゆっくり地面に降ろされてしまった。 次の場面でわたしがいたのは広大な赤茶色の大地で、ふかふかした大きな布団のようなものが点在していた。わたしは「見つかったら即座に追いつかれて殺される」と思い、姿勢を低く保って全力で走った。キツネではなくオオカミになる必要があった。布団のようなものがうまく隠れる影を作ってくれた。 一度目覚めた後、別の夢を見た。古いコンサートホールのような場所でマドモアゼル愛氏が講演をしていて、客席はたくさんの観客で埋まっていた。わたしは楽屋に用…