香りは形のない記号
先日初めてチェコのメーカーが販売する精油を購入してみたが、いずれも思っていた以上に香りの質が高くて驚いている。オークモス、オリスルート、ラブダナム、トンカビーンズ、フランキンセンスなど、特に好きな香りの瓶をいくつかデスクの上に置いておき、時々蓋を開けてはその芳香を嗅いでいる。 ここ数日はぼんやりと香りのレシピを頭の中で組み立てていた。まずはVのオフィス用の香り。シダーウッドアトラスとサイプレスに、パチュリ、ラベンダー、ベルガモット、マンダリンをあわせてみるつもりだ。鎮静と高揚、リラックスと集中のバランス。森の中のような静けさと、甘さと苦さを併せ持つ柑橘類の軽やかな動き。 また、久しぶりに半覚醒状態で見たビジョンを香りにしてみようと思っている。異界へと続く深い森と、その奥からかすかに射しこむ淡い光。青みがかった深緑に包まれた黒い土の上を、灰みを帯びた紫色の空気が漂い、柔らかな乳白色の光がすべての色を溶かしていく。 アトランティスの香りも描いてみようと思う。そして、アンドロメダとミラクの香りも。アトランティスの香りにはレモンが必要な気がしている。青を感じるほど鮮やかなレモンイエローが…