昔の記憶

昔の記憶

バナナを食べるとよく幼少期の記憶が蘇る。母と暮らしていた小さなアパートのコンクリート階段に一人で座り、下の通りを行き交う人々の足を眺めながらバナナを食べていたときのこと。

更年期に入って身体の不調が増してからは、昔の記憶がふと蘇ることがますます増えた。どれもみな今はもう存在しない光景。私の中でのみ繰り返し蘇る情景。昔のことを思い出すことが増えたのは、歳をとったということなのだろう。