旅について

旅について

Xで一人旅に関するタグを目にし、私はたいていいつも一人で旅に出るので、あえて「一人旅」と意識したことがなかったなと気づく。どこかへ行こうと思い立つと、ごく自然に一人で行く前提で計画を立てている。最近は日本への旅も含めて、年に3〜4回チェコ国外へ旅をするのが習慣になりつつある。

日本にいた頃、私には海外旅行をするような余裕はなかったが、おそらくだからこそ、様々な国の風景を眺め、様々な国の芸術に触れては、旅への憧れを募らせていた。もちろん当時は、自分がやがてチェコに移住することになるなど想像すらしていなかった。

最近は、特に絵を描き始めてからは、「あの地へ行ってみたい」という憧れのような感覚は薄れてきた。今は、特定の展覧会や画家の作品、彼らが描いた風景、あるいはその土地にしかない動植物や文化など、「何か」をこの目で見に行くという、より具体的な目的が旅のきっかけになっている。

この変化を通じて過去を振り返ると、日本にいた頃の私は、誰かによって作り出された「幻想」を通して、憧れを募らせていた気がする。初めてNYCを訪れた時は、繰り返し眺めたErnst Haasの写真の中の気配を追っていた。やがて漂着したプラハでも、初めのうちはJosef Sudekの世界を風景に重ねていた。

あの頃の私が憧れていたのは「旅」そのものではなく、自らの内なる感覚を形にし、自覚的に「幻想」を創り出す側の世界だったのかもしれない。