束の間の夢
歳をとり、自力で立てなくなって、食欲もなくなり、痩せ細っていく犬たちの姿をSNS等で見るたびに、さくらの旅立ちを見送った日々を思い出す。そして、飼い主さんたちの想いだけでなく、大変な日々も想像でき、身体の中に深い深い静けさが広がる。それは、底のない真っ暗な穴のごとき静けさ。 みんなあっという間に旅立っていく。 残った記憶はすべて夢のよう。 終わらせるためにここへ来た。 そう気づくよりもずっと前から、今回は幾つもの命を見送るような気がしていた。…
Low Tide Reflections Pastel on Pastelmat 24x30 cm…
Thousand Year Old Cherry Tree Pastel on Sennelier Pastel Card 24x32 cm…
今朝もたくさんの夢を見たが、大半は忘れてしまった。ただひとつ、強く印象に残っている場面がある。そこは東京でも大阪でもなかったが、日本のどこかの大都市のような場所だった。大きな幹線道路の上に、さらに大きな高架が建っており、周囲にはたくさんの高いビルが建ち並び、多くの人や車が行き来していた。 道路には大きなスクランブル式横断歩道があって、たくさんの人々がこちらに向かって渡ってくるのが見えた。同時に、その道路が巨大な川となり、その上を渡る人々と滔々と流れる澄んだ水が重なるようにして見えた。さらには、そこが真っ白な砂が広がる砂丘、あるいは砂浜のようにも見えた。いくつもの映像が重なって見えているような、説明しがたい光景だった。 わたしは、ある友人と二人で、幹線道路から一本脇に入った道を通ってどこかへ向かおうとしていた。すると、作業員らしき男性が、あるビルの横に、高さが180cmぐらいはありそうな赤い箱型の緊急装置を設置しようとしていた。それは火災などの災害時に使われるもののようだった。 わたしは彼に、この辺りはオフィス街で火災の可能性は低いので、別の場所(道路の反対側、向こう側)に設置する…
夢の中でさくらを抱いていた。 さくらは歳を取り、自力ではあまり歩けなくなっていたので、わたしは彼女を抱いて歩いていた。彼女の身体は少し痩せて軽くなっていたけれど、ふわふわした柔らかな毛並みは変わっていなかった。 わたしたちはショッピングモールのような場所にいた。店舗の間にある通路では、Vが近所の人たちや知り合いと立ち話をしていた。わたしは彼らと挨拶を交わした後、モールを通り抜けて奥にある自分たちのフラットらしい場所へ向かった。 さくらはあまり歩けないため、身体を擦り付けることが多いからか、毛が少し汚れていて、胸元には少し血が滲んでいた。わたしはVに「さくらを洗っても大丈夫だろうか」と相談していた。そして、さくらの胴を包むカバーを見つけて着させようかと考えていた。…