人は自らが望んだとおりになる

7年前の今日、わたしはポルトを訪れていた。わたしはあの時初めて”一人で”飛行機に乗って日本国外へと旅をした。現地では友人たちが待ってくれていたけれど、”一人で欧州へ行く”という経験にかなり興奮し、また緊張もしていたように思う。もう随分昔のことのような気もするし、つい先日のことのようにも感じられる。 あのポルトガルへの旅がなければ、わたしは日本での生活や仕事や関係を全部投げ捨てて終わりにすることはなかったかもしれないし、チェコに辿り着くこともなかったかもしれない。初めて訪れたポルトガルで、わたしは「何者でもないただのわたしとして、何もなさぬままただ存在していてもいい」という安心を初めて味わったのだった。 時折こうして振り返ると、人はやはり自分が望んだとおりになるのだと実感する。自覚していようがいまいが、わたしたちは、自らが望み、求め、意図した状態になっていく。そして、そしうした内側からの望みや意図に呼応する、場や、人や、環境が外側に現れる。現在の自分は、過去の自分の望みそのものであり、自らが意図した結果そのものだ。…

さくらを抱いて海へ向かう夢と、母とともに電車に乗って巨大なターミナル駅へ向かう夢

海へ行く夢を見た。わたしは海のそばに建つ古い大きな家屋のような宿泊施設に滞在していた。古い友人と名前も思い出せない昔の知人、そして母も一緒にいた気がする。いくつかの夢の記憶が混ざりあって混沌としている。 ある場面で、わたしはさくらを抱いて海の方へ向かって歩いていた。海へと続く道はなだらかな下り坂だった。空はよく晴れていて、暑くも寒くもなく心地よい気候だった。さくらはなかなか重くて抱えて歩くのは大変だったが、苦痛ではなかった。 別の夢では、わたしは母とともに”東京”の街を移動していた。彼女は”秋葉原駅”に行くと言っていた。夢の中の”秋葉原駅”は巨大なターミナル駅で、ハブ空港ほどもある近未来的な大きな建物からそこらじゅうへ路線が繋がっていた。わたしたちはそこへ向かっていた気もするし、既にそこにいたような気もする。 わたしは他にもっと早くて便利な行き方があると話したが、彼女は特定の電車で目的地へ向かいたがった。彼女はその電車の切符かパスを既に持っていたが、わたしは持っていなかった。バックパックの中のパスケースから様々なカードが出てきたが、どれも別の電車用だったので、わたしは切符を買うこ…

何を撮らされるのか

3年近くピンホール写真を撮ってきて、投稿したり、時に思わぬメッセージをもらって驚いたり涙したりもしてきて、なんとなくこのところ一つの壁にたどり着いた気がしている。「どう撮るか」など技術的なことではなく、「何を撮るか」、もっと言えば「何を撮らされるのか」ということについての壁。 この「何を撮るか」もっと言えば「何を撮らされるのか」の「何」とは、被写体のことではない。それは形として見ることはできない何かだ。そして、それが一体何なのか、頭で答えを見つけるつもりはない。むしろ、そうしてはならない。 それは、「何に撮らされるのか」ということなのかもしれない。 壁にたどり着いたと書いたが、この壁は超えていくものではなく、今は壁のように見えているけれど、実はゲートなのだと思っている。だから、やっぱり頭で考えて答えを出そうとはせずに、「何を撮るのか」あるいは「何を(に)撮らされるのか」ということを少し意識しながら、とにかく撮り続けていく。…

パラレルワールドへ

先日ふと思い立って、これまでしばらく自分が撮ったピンホール写真を投稿してきたグループから退会した。数ヶ月前からグループ内の様子が変化してきて、何だか違うなと感じていたので、すっきりした。 今日は「パラレルワールド」という言葉を何度も目にした。次の新月は日食だ。松村潔氏によれば、日食は上位の意識が介入する(そのことにに抵抗をあまり感じない)ポイントであり、タイムラインの方向を変えるレール切り替え装置だという。日食にあわせて飛び込めば、その後は違う世界になる。その動きは既に始まっていると感じる。 > 折り返し点は、それまで継続した視点からするとまさに空虚そのもので、虚脱以外の何ものでもない。空っぽになった時、上位の意識としては、この時に「やっとわたしの言うことを聞く気になったか」と思うが、それに気がつかない人が多い。このインターバル点を無駄にすると、人生はいつも出発点に戻って、何もしていないことに気がつく。付け加えておくと、この折り返し点の空白に、他者の意見などを取り入れたりすると、その人は穢れの人生を進むということにもなる。というのもそれは意図がはっきりわからないのでごまかしたと…

5年目の今日は月食

Vとパートナーとして共にいるようになって今日で5年が過ぎた。 ちょうど月食が起きていた頃、Český statistický úřadの調査員が突然やってきて、Vが統計調査の質問に協力していた。わたしが日本人だと知ると、調査員は「Cool!遠くからチェコにやってきてここで生活しているんだね」と少し驚いていたらしい。調査員による質問は年齢や職業など一般的なものだったが、わたしが外国人だとわかると、チェコ語学習に関する質問が追加された。Vが「彼女は毎日近所のレストランのランチメニューを読んでいます」と答えたところ、調査員は爆笑したそうだ。 パンデミックのために通学を中断したチェコ語学校で使用していたテキストを、最近ようやくまた引っ張り出してきて、一日2ページずつぐらいのペースで再学習していこうと思っていたところだった。…