語りは騙り
「コロナに負けない」とか「コロナに打ち勝つ」とかという言葉がまずおかしい。勝つか負けるかということではない。事実も実存も、人間社会の判断基準に無理やり当てはめようとすればするほど歪められ、人はますます盲目的・妄想的になる。それは、都合が悪い現実から目を背けるための欺瞞だろう。 わたしたちは、他者を騙すためだけでなく、自分自身を欺くために言葉を語る。そうした嘘を無自覚に繰り返しては、自ら進んで偏狭な枠の中に閉じ籠っていく。…
Cloud / Reflection, May 2021 6×6 Driftwood Pinhole Camera Fomapan 100…
「コロナに負けない」とか「コロナに打ち勝つ」とかという言葉がまずおかしい。勝つか負けるかということではない。事実も実存も、人間社会の判断基準に無理やり当てはめようとすればするほど歪められ、人はますます盲目的・妄想的になる。それは、都合が悪い現実から目を背けるための欺瞞だろう。 わたしたちは、他者を騙すためだけでなく、自分自身を欺くために言葉を語る。そうした嘘を無自覚に繰り返しては、自ら進んで偏狭な枠の中に閉じ籠っていく。…
ようやく今日から本格的な歯科治療が始まった。今後は、クリニックを初めて訪ねた日に応急処置を施してくれた歯科医とは別の医師による治療を受けることになった。大学でも指導しているという女性の歯科医で、英語で対応してもらえる。丁寧な説明に加え、わたしの希望や不安もしっかり聞いてもらえて安心した。 初診時に「抜歯しかない」と言われた2本の大臼歯について、なるべく抜かずにできる限り活かしたいと話したところ、デンタル撮影の結果、再根管治療ができそうだと言われた。ただ、それでもやはり10年ほど後には抜歯するしかなくなるだろうとのことだが、たとえ数年間でも自分の歯を残せるならその方がいい。 一度の治療にかかる時間は約1時間半。マイクロスコープを使った精密な歯科治療を受けたのは今日が初めてだった。常に予約がびっしり詰まっていて、次回の治療まで約2ヶ月待たなければならないが、どのクリニックも同じような状況なので仕方ない。かなり時間はかかりそうだけれど、じっくり治療に取り組んでいく。…
今朝方見た夢で怪奇現像が起きていた。わたしは、随分昔に付き合っていた男性と知らない部屋にいた。室内は薄暗く、既に日は暮れているようだった。突然天井のあたりからからラジオか何かの音が流れ始め、不審に思って上を見ると、ぶら下がった電灯が何かによって無理やり捻じ曲げられるように動いて形を変えた。 わたしは怖くはなかったが、なんとかしなければと思い、見えない”何か”に向かって「何者なの?何がしたいの!?」と問いかけながら、手元にあった板のようなものを頭上に掲げて片手でぶんぶん振った。…
Yellow irises, June 2021 6×6 Driftwood Pinhole Camera Kodak Ektar 100…
今日もピンホールカメラは持って出ていたものの、結局プラハにいる間は写真は撮らなかった。先日、歯科治療のためにプラハへ出向いた時も、やっぱり写真は撮らなかった。 プラハでは、ごく限られた場所以外、ピンホール写真を撮りたいと思わなくなっていることに気づいた。撮れないというか、撮る状態になるのが難しい。おそらく、ノイズが多くて、着地しない所謂”リリス”状態になることができないのだと思う。安心して輪郭の中と外を行き来することができないのだ。 ピンホールカメラではなく、一眼レフカメラでなら撮れるのかもしれないが、撮れないのなら撮らなくてもいいと思っている。…
久しぶりにプラハのオフィスに出向いたところ、一人を除く他のメンバーもオフィスにいた。誰もいないだろうと思っていたので驚いた。彼らとは昨年3月のロックダウン以降顔を合わせていなかったので、随分と話が弾んだ。 ターボルでの生活について聞かれたので、「南ボヘミアのゆっくりとした時の流れと豊かな自然環境にすっかり馴染んでしまって、たまにプラハに来ると、人が多くてびっくりする。都会だなあ、忙しいなあと感じる。」と答えた後、さらに「わたし、チェコに来る前は東京に住んでいたというのにね。」と言ったら、みんな笑った。…
Třeboň, South Bohemia, May 2019 6×6 Driftwood Pinhole Camera Fomapan 100…