2021-01-02

母が死んでから、過去のわたしがいかに無自覚なまま他者の思いにあわせて自らの言動を制限していたかが、ますますよく見えるようになった。たとえば「正月は家族で祝うものだ(だから自分もそうしたい)」という彼女の思いこみに応えて帰省していた過去のわたしは、無自覚に自分を形式(立場)の中に閉じ込めていたのだ。 以前に「『冥福』の語源や意味も知らないまま、勝手に冥福を祈って押しつけなられるのは不快だ」とTwitterやFBに書いたことがあった。その起源や由来を自らで調べもせずに、ただそれが慣習だからと機械的に倣うこと、そしてそれを押しつけられることが、わたしには不快なのだと改めて気づいた。 そんなことを思いながらシャワーを浴びている間に、いかに過去の自分が、実は誰のものでもない指向性に支配されていたかを改めて思った。たとえば「わたしは○○が好きだ」と思っていたことの多くは、環境や習慣によって染みついたパターンまたは癖でしかなかった。 過去のわたしは、そうしたただの肉体的な癖による機械的な反応を「これがわたし(の志向性)だ」と思いこんでいただけだ。つまり、”眠ったまま”だったということだ。そして…

Infinite emptiness

昨日から、なんにもない、本当にまったくなんにもないという感覚が再びやってきて、わたしはまたしばし抵抗していた。しかし、どんなに抗おうと、すべては虚無だ。そして、それでいいのだとあきらめた。 自分(世界)はまったくの空虚であるという事実に抗うほど、苦しくなるということが改めてよくわかった。確かにそこにある事実には抵抗しないことだ。 「空虚だ」と気づいたところで、頭の中にアークトゥルスの名が浮かび、突然強い眠気に襲われた。目を閉じるといつもは様々な色の光が点滅したり流動したりするのが見えるが、今日はひたすら真っ暗だった。しばらく暗闇をぼんやり漂っていたら、やがて真っ黒な大きな目がこちらを見ているのが見えた。大きな目はだんだん近づいてきて、わたしはその中に呑み込まれた。赤紫色の光に包まれた中で、ずいぶん昔の記憶のようであり、まったく知らないものでもあるような濡れた石畳の階段の淵で、鈍い光が一瞬虹色に煌めいたのが見えた後、わたしは完全に意識を失った。そのまま一時間ほど眠っていたようだ。 虚無の側にシフトする。自我が抵抗するたびに、こうしてシフトを繰り返していく。 From yest…

2020-12-31

12月31日の夜には、そこらじゅうでたくさんの人たちが花火を打ち上げる。プラハでも、毎年年が変わる頃には、全方向が花火大会状態になっていた。この町でも、待ちきれない人たちが花火を打ち上げ始めた。この時期になるといつもわたしは、野鳥や野生動物たちの安全と無難を祈っている。写真は、近くで打ち上げられた花火のため、飛ぶ方向を急転させたニシコクマルガラスたち。人々が池畔で花火を打ち上げ始めると同時に、たくさんの鴨たちが逃げるように飛び去って行くのも目撃した。…

手のひらサイズの女性が現れる夢

夢の中で、わたしは古い友人を見送るために外へ出ようとしていた。そこは豪華な平屋建ての家の玄関だった。ドアを開けると、手のひらに載りそうなほど小さな女性がちょこちょこと外へ走り出た。わたしは、彼女のためにドアをおさえ、彼女を踏みつぶさないよう気をつけながら歩いた。やがて彼女は翅を広げて空中を自在に飛び始めた。わたしは、庭に停めてあった車に乗り込もうとする古い友人に笑顔で別れを告げた。外はすっかり日が暮れていて、周囲の眺めはサンノゼ郊外の景色に似ていた。…

Room Number 2222 or 1515

夢の中で、わたしはたくさんの女性たちと共に旅をしていた。わたしたちには何か任務があるようだった。タクシーで大きなホテルに到着し、スーツケースを持ってチェックインカウンターへ向かった。1部屋に2人ずつ宿泊するようで、わたしは友人と同室することになっていた。部屋番号は2222だった。 ホテルのスタッフがわたしにルームキーを渡しながら「実は、この部屋は入口の電気が暗いんですが、よろしいですか?」と尋ねた。わたしは、それぐらいなら気にしないと答えた。すると、別のスタッフが「あれは(電気がどうしても暗いままなのには)何かあると思うんだよね…」と霊的な現象を示唆してきた。わたしは、もしも居心地が悪かったり、何か問題があったりしたら、後で部屋を変えてもらえばいいやと思い、承諾した。同室の友人に「部屋の入口の電気が暗いらしいけれど、もし後で必要だったら部屋を変えてもらえばいいし、構わないよね?」と確認すると、彼女も「うん、うん、それでいいよ」とすんなり答えた。 そして、彼女と共に部屋へ向かおうとして、手に持っていたルームキーを見たところ、なぜか部屋番号は1515になっていた。…

意図的に夢を見ている

夢を見るのはとにかく楽しい。どんな夢でもおもしろい。夢がどんどん現実を浸食して、境目が曖昧になるぐらいがいい。そうして地から足を浮かせたまま、あちらとこちらを同時に愉しむのだ。不思議も奇怪もごちゃまぜになっていく。夢と現実が同期していく。…

Luka

RukaとかRukaviceとか”ルカさん”とかを思っていた [https://www.hvezda369.cz/2020-12-28/] からか、昼寝の間に、プラハの地下鉄B線に乗ってLuka駅に着いてしまう夢を見た(RとLの違いを超えて繋がってしまったのだとしたら、やっぱりわたしの根底は日本語人だ)。 Luka駅は、以前の自宅の最寄駅のひとつ隣の駅だった。Luka駅に着いたわたしは「あ、違った、わたしは今は南ボヘミアに住んでいるんだった」と気づき、急いで逆方向の地下鉄に乗ろうとしていた。マスクを着用しなければと思い、ホーム上の白いバスタブのようなものの中で手を洗った。すると、その中には学生服を着た若い女性が水に浸かったまま横になって眠っていた。わたしは慌てて水道の蛇口を閉めた。すぐそばの柱に小さな洗い場が設置されていたので、そこで改めて手を洗った。 場面がどう切り替わったか忘れてしまったが、わたしはパートナーの以前の職場を訪ねていた。この会社は今年の夏にLuka駅の近くに移転したのだ。そこにはパートナーの元同僚であり友人でもあるLukášがいた(また"Luka"だ)。 別の夢…

「こんなところにはいられない」と踵を返す夢

夢の中で日本の古い街にいた。様々な時代の建物が混在していて、ところどころ時空が歪んだような街並みだった。わたしは知らない男性に案内されて、土塀に囲まれた広大な庭園へ連れて行かれた。そこはたくさんの観光客で溢れていて、大量の人々が塊になって走り回っていた。彼らは固まってただぐるぐる回っていて、誰も自らの意志を持っているようには見えず、一人一人の存在を識別できなかった。わたしはそれを見て「こんなところにはいられない」と踵をかえし、案内していた男性を無視して塀の外へ出た。…